東京中野の 身体から整えるボイストレーナー
ヴォーカルスクール

ワンダフルヴォイス




  アンザッツ応用編①

声帯で起こった振動は骨振動として頭蓋骨をはじめ骨格の色んなところに拡がります。また、声帯を通過した呼気は脈動しながら喉頭上部から咽頭口腔へと流れますが、息をわずかに鼻腔にも流す事で響きを伝える方法もあります。
この息の流れと音(声)の振動を色んな箇所に伝達させて部分部分を集中的に響かせる技術がアンザッツです。


①このうち鼻の両脇、上顎骨の中に上顎洞という空洞があり、いわゆるマスケラヴォーチェはここに良く響く声であると考えられます。
声を上顎の内側、硬口蓋の前の方或いは歯の根元に響かせる感じです。
輝のある豊かな印象の音色になります。
声帯の中を通る筋肉(声帯内筋)をしっかり働かせる事が出来るので、良い発声ですが、この声の出し方は、定着しやすい為、さまざまな音色を求めたり、またより高い声を出す為に他の技術を身につけたい時には、邪魔になる事があります。

②また、眼の上に前頭洞という空間があります。鼻腔上部からパイプで繋がっています。ここも良く響く感じがします。ファルセットを出すときの響きのポジションはここになります。
喉頭全体を後ろへ引くようなイメージを持つと、深く芯のある裏声から頭声に移行する事が出来ます。

③前歯の上下に声を当てる意識を持つと、声が前向きに響く感じがします。この時は軟口蓋を最も高くあげ、鼻に息を通さないように練習します。
この練習は、やり過ぎると声の震えが止まらなくなるので気をつけて下さい。

④鎖骨の辺り、に響かせると、少し引き締まった様なやや硬いはっきりした声が出ます。喉頭を下に引き下げる力が強く鳴るので、声量が増します。


先ずはこの4つのアンザッツを練習してみましょう。
声を出す為の筋肉が成長していく実感が得られると思います。

一つ一つのトレーニングは、個人差がありますが、最低4日は続けて練習しないと効果が期待できません。

一つ一つ、変化を実感できるまで練習して頂く事が重要ですが、ある程度実感できたら次のアンザッツにトライしましょう。

長く同じアンザッツを繰り返し練習すると、より効果がありますが、定着が強すぎると次の練習に移行する事が難しくなってしまうので、気をつけてください。

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  アンザッツ入門

最初は鼻から響かせるのがわかりやすいでしょう。
高すぎず低すぎず、出しやすい声の高さで練習開始。
鼻をつまんだり、上唇をつまんで引っ張ったりすると、響くのがわかります。
鼻に少し息を通すようにすると、響きを確認しやすくなりますが、響きを確認できたら、なるべく鼻声にならない程度に鼻へのルートを閉じます。
そして、鼻からおでこ、頭頂部へと響きを広げて、頭頂部から上空に音を飛ばします。そのあと、後頭部から首と後頭部の境目あたりまで、響きのポイントを広げていきます。
高い音を出すときは頭の後ろ、低い声はおでこを意識すると、楽に声が響きます。
低い声を出すときに鎖骨から胸郭を響かせるやり方もありますが、標準的な日本人の胸郭は、欧米人と比べて厚みが無く、響き難い構造をしています。無理をして胸郭を響かせようとしても、くぐもった声になってしまう事が多く、おでこや頭頂部に響かせた方がクリアーに響く事が多いです。
ただし、これはあくまで一般論ですから、おでこを響かせるより、深みのある低音を鳴らしたいと思う方はトライしてみても面白いかもしれません。
肩甲骨の間、背骨がでっぱっている(頸椎7番と胸椎1番)あたりを響かせるように意識すると上手く行く事があるようです。
注)忘れていけないのが、丹田の支え。
極端に固めるのではなく、そこから息を送り出すのですから、下腹内部の臓器を筋肉で持ち上げるイメージを持ちます。
このイメージと、頭の響いているポジションから上空に音を送るイメージが結びつけば、ワンステップクリアです。


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  アンザッツ論について

ドイツ古来の響きの概念です。
頭の各部に響きのポジションを決めて、そこを響かせる方法です。
指導者によって多少違いはあるようですが、ふつうは先ず鼻を響かせて、そこから上は前頭部、頭頂部、後頭部。下は上前歯、顎、胸とポジションを広げていくやり方です。
この方法はとても有効なやり方で、実際やってみるとその場所が響いている気がします。
しかしこれは、皮膚の感覚から来る錯覚、つまり、響かせようと意識している部分の皮膚が、周辺の筋肉に引っ張られて薄くなり、それによって敏感になったため振動を感じやすくなっているだけだという説があります。
ただし、錯覚であるにせよ、有効な練習方法であることは確かです。


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  サウンドビーム論

新しい響きの概念です。
これは、響きの方向性つまり、音の指向性を考えるやり方で、基本は先ず垂直方向、つまり真上に声を飛ばします。そして、高い音を出すときは、この響きの角度を後ろに傾けてゆくというやり方です。
これは、面白い検証方法があって、A4くらいのサイズの簡易的な反響板、なんでもいいんです、その辺にあるノートや下敷きなどを頭の真上に持って、意識して声を口から前に向けて出したり、頭から真上に向けて出したりしてみてください。
真上に出した声が反響板にあたって跳ね返るのが解ると思います。
次に、真上よりやや後ろに反響板を構えて、少し高い声で、頭の向きを変えずに、声をやや後ろ向きに出して見てください。
自分の声の指向性が前後に移動するのがわかると思います。
いろんな角度をイメージして、その方向に反響板を移動して検証してみましょう。
本当に角度を変えて声が飛んでゆくのがわかると思います。
もちろん首の角度は変えないように。
これらアンザッツやサウンドビームの概念は、手に取るように感じられるまで、やってみましょう。
後々必ず役に立ちますよ。


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  ニュートラルな声の見つけ方

初心者からベテランまで
この方法論は、初心者からヴェテランの皆様に向けてのものです。
すでに『ニュートラル』をつかんでいる方も多くいらっしゃいますが、そういう方々も一読していただけると幸いです。

また、声にトラブルを感じている方、以前ポリープ手術をした跡が残っている、ハスキーな声を治したいと思っている方、声を使いすぎて嗄れつつある時のケアにも有効な、柔らかい発声方法です。

a.
まずゆったりした気持ちで、大きな溜息をついてみましょう。
続いて、溜息に声を混ぜて、「は~」と声を出してみます。溜息は声帯の力を抜くのにとても有効です。

この時、普通は胸式呼吸になっていると思いますが、そこは気にせず声帯の力を抜いて声を出す感覚をつかんでください。ここでは大きな声は必要ありません。

次に、今度は腹式呼吸で同じことをやってみます。
へその下辺り(丹田)を出発点にイメージして、そこから真上に息を送り上げます。その息の流れに併せて、声を天井まで送ります。

ため息の要領で声帯の力を抜いて、声を湯気のように立ち昇らせる感覚です。

どうしてもおなかと胸を意識しがちになるので、息が背中に沿って上昇していくようにイメージします。

背中に沿って、下から上へです。やわらかい声で、ゆったり身体を休めるつもりでやってみてください。

b.

次にハミングです。
唇を閉じて、口の中に大きく空間を作ります。口の奥の奥、喉もとのあたりまで、しっかり開いてください。

軟口蓋を上に上げて、舌根を下に下げて、口の奥に空間を作って そこに響かせるイメージで。
頭の中、特に鼻の奥でブーンと響くのを感じてください。
口を閉じて頭蓋骨に閉じ込められた音が、頭の中でブーンと響く感じです。鼻の穴の奥がむずむずして来ることもあります。

頭の中の振動を感じることができたら、次はこの響きを後頭部とうなじの境目辺りから後ろに送り出します。
首・喉周りの力を抜いて、あっさりと後ろに音を抜いてしまいます。

頑張って送り出すのではなく、無意識のうちに力で塞いでいる蓋を開ける感じ。

うまく力が抜けたら、口をあけている時とさほど変わらない感じで、声が外に出ます。
鼻腔よりも更に奥のほう、というより、後頭部の辺りで響いた音を、外に放つ感じです。

c.
次は、このa.とb.の組み合わせです。
口をあけて喉の力を抜いて、欠伸のように喉の奥を開いて、後ろ向きに声を出します。
背中を下から上へ向かって昇っていく息に併せて、声も天井まで送っていきましょう。
そして、徐々に音量を大きくしていきます。
おなか、腰、喉、口の中に、なるべく力を入れずに、声を前に出そうとせず、背面に沿って上に出します。

d.
更に天井の板まで振動させます。
一旦声を出すのを止めて、頭の上の天井板をしっかり見て目標を定めます。
次に顔の向きを正面に戻して、腰のあたりから声を送り上げて、天井板を響かせます。

注)天井を意識するあまり、顔が上を向いてしまわないように注意してください。
顔は正面向き、ほんの少し顎を引きます。

e.
そして、ほんの少し丹田に力を入れます。
骨盤からすこーし身体を持ち上げるようにイメージして、下腹部が薄くへこんだら正解です。
同時に頭の上の響きを更に大きくしていきます。
音がしっかりしてきたら、その音を部屋中に響かせる。
力まずに、あなたの声が、部屋中の壁、天井、床に当たって、部屋いっぱいに響く感じです。

ポイント
身体の中で響くのではなくて、身体から出た音が勝手に部屋中で響いて、部屋いっぱいに響きが広がる感じをつかんでください。

いかがですか?

良く響く部屋で実践していただくと、わかりやすく、より効果的です。
楽に大きな声が出たら、それがあなたの声の『ニュートラル』です。

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  ニュートラルな声とは

自分の声の『ニュートラル』を確認しましょう。

生まれたての赤ちゃんや遊びに夢中になっている子供たちの声は、大変大きく良く響きますね。
それが、大人になるにつれて、「プライバシーを守りたい」とか「他の人に迷惑をかけたくない」と考え、必要最小限の音量で声を使うようになるのですね。
つまり、私たちは長年に渡って声が響かない発声法を学んできたわけです。
そして、人間以外の動物も、実に大きな声で鳴きますよね。
動物の背骨は地面と平行にあります。
それに対して人間の背骨は垂直に立っています。
人間はおなかと胸の方向に対話する相手がいます。
だから人間は胸とおなかのある方を正面と呼んでいます。
それに対して、動物は胸とおなかの向いている方向には、地面、地面しかないのです。
そして骨格は、骨盤・背骨・肋骨・肩甲骨すべて、骨格に響いた音は背中側に出やすいようにできています。つまり、背中が表で、お腹は裏です。
更に観察してみると、動物は脊椎の先端に頭蓋骨があって、その先端が口になっています。
人間の場合も垂直に立った背骨の先端つまりてっぺんには頭蓋骨がありますが、その先端は頭蓋ですね。
90度曲がって前方に口が開いています。
だから、人間は声を口からばかり出そうとせず、背中や後頭部、頭頂部から出すイメージを持った方が、身体が効率よく響くのです。

これらの事を意識して、うまれもったニュートラルな声をさがしてみましょう。

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